この記事では、法律事務所で有能だけど非常に怖い先輩事務員がいる場合、付き合い方のヒントや注意点についてご紹介しています。
うちの事務所のお局様、言ってることは正しいんだけど、とにかく辛辣なのよね。
いつも不機嫌だし、気を遣うのに疲れちゃったわ。
法律事務所でよく聞くのが、このような「ものすごく有能で仕事は抜群にできるけどものすごく怖いお局様」の話です。
このタイプのお局様は業務に関係のない嫌がらせをしたりしません。
しかし、後輩事務員への言葉がとんでもなくキツかったり、常にイライラしていたり、とにかく恐ろしいのが特徴です。
そんなお局様が同じ事務局内にいると、気が休まる時はありません。
聞きたいことも聞けず、ピリついた空気に常に気を遣って疲れますよね。
そこで今回は、法律事務所の有能だけど超怖いお局様との付き合い方のヒントについてご紹介します。
人を簡単に変えることはできない
まず最初に断っておきます。
有能だけど超怖いお局様を、優しく穏やかなお局様に変えることはあなたにはできません。
身も蓋もない話だと思われたでしょうか?
しかし、そんなに簡単に他人を変えることはできないのです。
自分を変えたいと思ってもなかなか思い通りに変えられないのに、自分で変わりたいと思っていない人を、他人が簡単に変えられるわけがありません。
ですから、お局様をあなたが根本的に変えようとは思わないことです。
ここでご紹介するのは、あくまで怖いお局様のいる事務局でうまく立ち回り、実害を減らしながら少しでも有益にする現実的なヒントだと思ってください。
お局様と対立しない対処法
お局様はいつもイライラしていて腹が立つのよね。
何とかギャフンと言わせてやりたい!
普段お局様のイライラした様子に辟易していると、こんな風に思う人もいるかもしれませんね。
その気持ちはよくわかります。
理由も無くイライラをぶつけられる側としては、何とか一矢報いてやりたいと思うのは当然の感情ですからね。
ただ、現実問題として、有能なお局様と真っ向から対立したところであまり良いことはありません。
スカッとしたその後は?
仮に、お局様をギャフンと言わせるような何かができたとします。
人気のバラエティ番組のように、そのときスカッとすることはできるかもしれません。
しかし、無能なお局様ならともかく、長年実力を認められてきたお局様が、それだけでその後生まれ変わったように大人しくなったりはしません。
何より、あなたは今後一切そのお局様に頼らない覚悟はあるのでしょうか?
さすがに、公然とお局様に対立しておいて、困ったときには助けてもらいたいというのは虫が良すぎますし、お局様も助けてくれないでしょう。
仕事のできないお局様であれば、頼る必要性も必然性も無いので何の問題もありません。
しかし、有能なお局様の場合、事務局の仕事の中心はお局様で、お局様しかわからない・できない類の仕事があるはずです。
にもかかわらず、お局様を一切頼らずに、その事務所で勤務を続けることは現実的ですか?
ここを冷静に考えてもらいたいのです。
もし、あなたにお局様には一切頼らないという覚悟があり、その事務所で引き続き勤務ができるならいいのです。
しかし、そうでないならここは発想の転換をしてみましょう。
有能なお局様は「とことん利用する」という発想
私は、有能なお局様は対立するよりもとことん利用することをおすすめします。
怖いお局様に対して、ただ受け身でいるから無駄に疲れるのです。
どのみち疲れる思いをするのなら、実利が有る方がいいと思いませんか?
ここはひとつ、こちらからお局様をとことん利用してやるぐらいの気持ちを持ってみて欲しいのです。
というのも、実務のスキルを学ぶ上で、有能なお局様以上に利用できるものはありません。
せっかく仕事ができる人がいるのですから、適当にお局様の機嫌も取りつつ、どんな風に業務を行い、どんな風に対処しているのか等、こっそり自分のスキルにしてしまいましょう。
何しろ、仕事は有能なお局様なのです。
- 仕事の段取りの方法
- 書類等の作り方
- 電話での交渉術
- 弁護士との意思疎通
このように、参考にできることは山のようにあるはずです。
ピリついた空気で居心地の悪い思いをさせられているのです。
とことん遠慮なく利用してしまいましょう。
もし、怖いお局様に我慢できず別の事務所へ転職するとしても、身につけたスキルは必ず役に立ちます。
お局様の機嫌なんか取りたくないんだけど?
そんな風に思うかもしれませんが、機嫌を取るのはお局様のためではありません。
自分がスキルを得るため、自分の未来のためです。
ちょっと機嫌を取るだけで、お局様の長年かけた経験や知識・スキルが自分のものにできるなら、安いものだと思いませんか?
お局様の機嫌は気にしすぎない
お局様のスキルを得るときには、多少の機嫌は取った方がいいでしょう。
しかし、それ以外の普段のお局様の機嫌の良し悪しは、そこまで気にする必要もありません。
自分がお局様を利用したいとき、利用したい範囲で機嫌を取っておけば十分です。
それ以外の場面で、お局様がイライラしていようが、事務局がピリついていようが、自分は関係ないという顔でいればいいのです。
そうは言っても気になるのよ
気持ちはわかります。
しかし、お局様のイライラも事務局のピリついた空気も、あなたがどう頑張ったところで改善なんかしないのです。
お局様の機嫌はお局様次第なのですから。
自分の影響が及びようが無い部分を気にしても仕方が無いと割り切りましょう。
自分がやるべき仕事に集中し、必要な範囲でお局様を利用し、それ以外は気にしすぎないのがベストです。
お局様に少しだけ対抗するなら
基本的に、私は有能なお局様には、対抗しても何もいいことは無いと思っています。
むしろ、言い方は悪いですが、利用価値があるわけですからとことん利用すべき存在ですね。
ただ、お局様に言われっぱなしだったり、あまりのキツさに多少の対抗はしたいという人もいるでしょう。
お局様にないスキル・知識を習得する
有能なお局様は、現時点の事務所で求められるスキルや知識に関しては、他の事務員よりも抜きん出ています。
経験の長さからしても、あなたがこの部分でお局様に対抗しようと思っても無理があります。
ですから、ここはあえてお局様に無いスキルを習得しましょう。
例えば、有能なお局様であれば、WordやExcelといったパソコンスキルもあるでしょうけど、普段使う機能以外は知らない人もいます。
また、登記業務や会計業務等には疎いお局様もいるでしょう。
こういう部分でお局様より詳しくなるのです。
特にIT関連のスキルや知識は、事務所全体の効率化を底上げするものですから、弁護士からも重宝されます。
有能なお局様ほど、自分には無いスキルや知識を持つ人には一目置く傾向があります。
弁護士からの評価も相まって、事務所内のパワーバランスには多少影響があるでしょう。
第2のお局様にならないように
有能なお局様のスキルを習得したり、お局様には無いスキルを磨いていけば、あなたもお局様と同じように有能な事務員となるでしょう。
この時、くれぐれも気を付けて欲しいことがあります。
それは、あなたまで「有能だけど超怖いお局様」にならないで欲しいということです。
あなたは穏やかで優しい事務員のまま、後輩事務員など他の人に接するようにしてください。
それは私が怖いお局様みたいに、周囲に敬遠されないためですか?
それとも事務所の雰囲気のため?
もちろん、あなた自身の評価のためでもありますし、事務所の雰囲気のためでもあります。
しかし、実はそれだけではありません。
あなたがそのように振る舞うことで、「有能だから超怖くても許されてきた」お局様はかなり居心地が悪くなってくるのです。
なぜなら、同じように有能なのに穏やかでイライラをぶつけない人(あなた)がいるわけです。
すると、お局様の有能さでカバーされていた悪い面が相対的に目立つのです。
そうすれば、さすがにお局様も態度を改めるか、改めようと思うキッカケにはなるでしょう。
まとめ
法律事務所の有能だけど超怖いお局様との付き合い方のポイントは次の通りです。
私の経験上、法律事務所の事務局内で、怖いお局様に対してただ受け身でいると、いずれ限界がきます。
怖いお局様に怯えながら、ひたすらご機嫌を取り続けるのも疲れますよね。
かと言って、その怖いお局様を変えることで根本的に解決することは難しいでしょう。
それならば、こちらの発想を変えた方が簡単で、しかも建設的です。
ご紹介したように、自分のスキルアップのためにとことん有能なお局様を利用するのがオススメです。
自分のために、自分に必要な範囲で気遣うのであれば、怖いお局様とも割り切った付き合い方ができるのではないでしょうか。
なお、先輩事務員にはこのような有能だけど怖いお局様だけではなく、仕事はできないのに意地悪な先輩事務員もいます。
こちらの場合であれば、対応次第で根本的な解決も可能です。
詳しくはこちらの記事でご紹介しているので、よかったら見てみてくださいね。
>>法律事務所の【仕事ができない意地悪な先輩】に有効な対策は?
法律事務所で一生懸命に頑張るあなたの一助になれば幸いです。
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